介護施設で働くには

高齢化社会を受け、医療施設と並んで増え続けているのが介護施設です。きっと、今一番安定している仕事だといえるのではないでしょうか?
そんな介護施設に働く看護師の事を、通称「老健看護師」と呼びます。「老健」とは「介護老人保険施設」の略称から来ているようです。
そこで今回は、この「老健看護師」になるにあたりどんな意識、覚悟が必要になってくるのかについてお話したいと思います。

まず、こういった施設で働く、老人介護を仕事にするという事は、その老人の余生を見守るという意味になると思います。
家で介護する人であっても、施設に預けて介護する人であっても、その老人がこの世に必要であるからするものだと介護の世界では考えられています。
だからこそ、その老人の最期の最後まで見守る覚悟が必要となってくるのです。施設には様々なタイプがありますが、中でも「特養」や「グループホーム」という肩書きが書かれている施設のほとんどが、何らかの事情でもう家には帰らずそこで余生を過ごすという場所になります。という事は、その場所で働く看護師や介護師が、その老人にとって2番目の家族になるといえるのではないでしょうか?

看護、介護の世界では、末期ガンなどで残り少ない余生を送る方を看る事を「ターミナルケ」といいます。
これは、病気の進行によって起きた多臓器の機能不全を理由に、人工呼吸器などの機器を利用した延命治療や進行を遅らせるといった事は敢えて行わずに、最期まで見守り、いつその時が来てもおかしくないようケアをする事です。ここでいうケアとは、食事、排泄、入浴、体交といったものの事。いうなれば、その方が安心・安全に余生を過ごし、キレイにその時を迎えられるようお手伝いするという事だと思って貰えれば幸いです。
きっと、今までは命を助ける為に仕事をしてきたという看護師にとっては、目の前にいる命が消えていくというのを見逃せないという人も少なくないと思います。
ですが、施設にいる老人みんながそうでないとはいえ、そういった“死”を間近に感じる職場である事には変わりなく、辛い仕事ではありますが最期の最後まで見守ってくれたあなたに対する患者の感謝は一塩。それを感じられるこの仕事は、とても大きなやりがいがあるといえるでしょう。
最初のうちは、仕事にもそういった情景にも慣れるまで時間があります。ですが、その仕事に余裕が持ててきた時こそ、真の老健看護師だといえそうです。